「耐える」のは我慢ではありません。正しい我慢の方法とは?

メンタルヘルス

概要

こんにちは。
皆さまは我慢するのは得意でしょうか?我慢するのが得意な方もいらっしゃれば、我慢が得意でない方もいらっしゃるかもしれません。

待ちを歩けば泣き叫ぶ子供に対して母親が「我慢しなさい」と言う光景をよく見かけます。そして、子供のころからなにかと「我慢しなさい」とよく言われるように、我慢するということは「しなければいけない」ことであったり、ときには「よいこと」として語られることがほとんどであると思います。

今回の記事のテーマは「我慢」することについてです。「我慢」ということは我々の文化に根づいていますが、そのメンタルヘルスへの影響はなかなか語られることがないように思います。今回の記事では我慢することがメンタルヘルスへどのような影響を与えるかを考察していきます。

そもそも「我慢」するってなに?

そもそも我慢するとはどういうことなのでしょうか?「我慢」ということが語られる文面は、例えば私たちが長蛇の列に並ばなければならない場合であったり、上司に叱責されてもじっとして「すみません」と言わなければならない場合などがあります。

他にも様々な場面で「我慢」する必要がありますが、人が我慢をするとき、こころの中では具体的になにが起きているのでしょうか?

まずこころの中で起きていると思われるのは「耐え忍ぶ」ことです。これは痛みを伴います。例えば長蛇の列に並んでいる場合に、「イライラ」していることはわかっていながらもそこでじっとしているのは「耐え忍ぶ」という場合です。

それとは別に「さっと受け流している」場合もあります。例えば先ほどと同じ長蛇の列に並んでいる場合を考えたとき、友達との談笑を楽しんだり、携帯ゲームに没頭したりするのは、そこにじっとしているという行為自体は同じでも「さっと受け流している」状態です。

では、どちらの場合が正しい「我慢」の仕方なのでしょうか?それについて考えたとき、私は以下の名言に感銘を受けました。

“Patience is not the ability to wait, but the ability to keep a good attitude while waiting.” ~Joyce Meyer(「我慢」することは「待つ」能力ではなく、待っているときに行儀よく振舞える能力である)

How Practicing Patience Can Relieve Stress and Anxiety

これは先に示した二種類の我慢の仕方のうち、「さっと受け流している」我慢を示していると思います。昔からとかく「我慢しなさい」と言われる場合には「耐え忍ぶ」我慢であることがほとんどです。さらにこの「耐え忍ぶ」ことが美徳であるように語られる場合もありますが、メンタル的にはあまりよいことではありません。次になぜこのタイプの我慢がメンタル的によくないのかを解説します。

なぜ我慢することはよくない?

特にやっかいなのが「我慢するストレス」だという。これは一時的なアップテンポ型のストレスとは違い、慢性的に受けるストレスだ。このストレスは職場や家庭の人間関係などに起因する場合が多い。また慢性的なストレスでは過去に起きた出来事や未来の不安を繰り返し想像するまどといった、人間がつい行ってしまう悪い思考習慣で増幅されるものもある。これを「マインド・ワンダリング」といい、私たちは平均して生活時間の47%を自分の思考が生み出した不安や恐怖感にさいなまれているという。

- 命に関わる「キラーストレス」、特に“我慢”は超危険

これはいわゆる「耐え忍ぶ」我慢の仕方のことをいっています。これを見ると「耐え忍ぶ」我慢とはつまり、嫌であるにもかかわらずその場所にとどまり続けることで、慢性的にストレスを受け続けている状態であるといえます。実は我々の体はこのタイプの我慢をすることによってかなりのストレスが蓄積されることがわかっており、ひいてはその結果として体の様々な箇所にダメージを与えることがわかっています。

我慢するストレスがどのように、そしてどれほど人間の身体に影響があるのかを見てみよう。ストレスを感じた時に副腎から分泌されるコルチゾールは最終的に脳に吸収され無害化されるのだが、慢性的にストレス反応が起きていると、過剰に分泌されたコルチゾールが脳内に溢れ、海馬の神経細胞を破壊する事が解明されている。実はこの現象がうつ病に大きく関わっているのだ。うつ病患者の脳はコルチゾールに蝕まれ海馬が萎縮しているのである。

命に関わる「キラーストレス」、特に“我慢”は超危険

さらに慢性的なストレスというのは「突然死」の原因にもなっていることがマウスによる実験によりわかっています。

・慢性的なストレスを誘導したマウスに移入 EAE を行うと,通常の EAE 症状である尾部,後肢の麻痺は起こらず,突然死しました。EAE 単独もしくは慢性的なストレス単独では,死亡するマウスは現れませんでした。この突然死の原因を解析すると,ヒトでも慢性ストレスによって影響を受けやすい臓器として知られる胃・十二指腸の炎症による出血が引き金となり,心臓の機能が低下したことによるものであるとわかりました。

・次に,脳内の微小な炎症がマウスの突然死に重要かについて検討を行いました。慢性的なストレス を誘導したマウスの特定血管部位にサイトカインなどを直接投与し,微小炎症を誘導したところ,マ ウスは同様に胃・十二指腸潰瘍,心機能低下を引き起こし,突然死しました。

世界初!「病は気から」の分子メカニズムの解明 ーキラーストレスはどのようにして消化管疾患や突然死をもたらすのかー

「耐え忍ぶ」我慢をすることによる慢性的なストレスがいかに恐ろしいものであるかがお分かりいただけましたでしょうか?

つらい状況にあるときに、ときには「皆そうなんだから我慢しなさい」というような「耐え忍ぶ」我慢を推奨されることがあります。しかし、それによって慢性的なストレスを受け続けている場合、メンタル的にも、身体的にも健康な状態であるとは言えないので、そのような状況を抜け出すことが必要です。

正しい我慢の方法とは?

これまで「耐え忍ぶ」我慢の仕方が体に良くない影響を及ぼすことがわかりました。それでは正しい我慢の仕方とはどういったものなのでしょうか?それは冒頭で引用させていただいた「待っているときに行儀よく振舞える能力(the ability to keep a good attitude while waiting)」が表しているように、じっと「耐え忍ぶ」ことではなく、ストレスフルな状況に対してどのように向き合うかを学ぶことであると言えます。

ストレスフルな状況を避ける方法はいくつかありますが、ここではそのうちのいくつかを紹介させていただこうと思います。

10もしくは100数える!

Counting to 10 — or even 100! — really works for creating that space. Deep breathing also works for that reason.(10、もしくは100数えてください!そうするだけで本当にゆとりが生まれます。同じ理由で深呼吸するのもよいでしょう)

HOW TO PRACTICE PATIENCE IN STRESSFUL TIMES

個人的な意見ではありますが、この方法はとても簡単で、興味深いものだったのでとりあげたいと思いました。上記の方法が示している通りここでの重要なポイントは「衝動と行動の間にゆとりを作る(create more space between impulse and action)」ことだそうです。

確かに、ストレスフルな状況から逃れるためには単純に「逃げる」ことが一番単純でベストな方法なのかもしれません。

マインドフルネスを練習する

Practice mindfulness. In one study, kids who did a six-month mindfulness program in school became less impulsive and more willing to wait for a reward(マインドフルネスを練習してください。ある研究では、6ヶ月のマインドフルネスプログラムを行った子供は、行わなかった子供より衝動的になりにくかったり、ご褒美のために積極的に待てるようになったことがわかっています)

The Benefits of Being a Patient Person

二つ目の方法はマインドフルネスを練習することです。上記にもある通り、マインドフルネスを練習することは科学的のも様々な効果が得られることがわかっています。実際に海外ではマインドフルネスを用いてストレスを解消しようとする「マインドフルネスに基づくストレス低減プログラム(Mindfulnessbased stress reduction program)」という手法も開発されており、MSBRの結果として以下のような結果も報告されています。

対象者は6ヶ月以上にわたって痛みがあると診断さ れている90名の慢性疼痛患者である。10週間の「スト レス低減とリラクセーションプログラム」を実施し、 MBSRの訓練を行った。その結果、現在の痛みの程度、 ネガティブなボディイメージ、痛みによる活動抑制、 症状、気分障害、抑うつや不安を含む心理的な全体的 症状などの測度に有意な低下が認められた。痛みに関 連した薬の使用が減少し、感情レベルと自尊心は高 まった。また性別、紹介された機関、痛みのタイプの 主効果が認められた。

「マインドフルネスに基づくストレス低減プログラム」の 健康心理学への応用

1の方法はストレスフルな状況から離れることによって回避しようとする方法でしたが、マインドフルネスによる方法は、ストレスフルな状況に身をおきつつ、ストレスを回避しようとする方法であると言えます。

一つのことに集中する

もし皆さまがストレスフルな状況にあり、その状態が慢性的に続いているとしたら、何もする気になれないかもしれません。大抵の場合、ストレスフルな状態というのは様々な事柄が複雑に絡み合っている状態です。一度にたくさんのことに気を回さなければならないこともあるかもしれません。

When we’re stressed it’s hard to add more new activities to help us reduce stress the APA noted. They encourage people to do just one thing to improve their health and it can be as simple as reducing caffeine intake. Take a walk or do some yoga poses or stretches — something to stimulate endorphins in the brain.(APA曰く、私たちがストレスにさらされているとき、ストレスを減らすために新しいアクティビティを始めるのは難しいものです。そこで彼らは、一つだけでいいので、健康状態を改善するための行動をとることを進めています。それは例えばカフェインの摂取量を減らすというようなことでも構いません。散歩をすることでも、ヨガやストレッチをすることでも構いません。脳内のエンドルフィンを刺激することを行いましょう)

6 ways to reduce chronic stress

上記の引用の通り、もし慢性的なストレスによって健康状態が悪化しているのであれば、まずは健康のためにできることに集中するべきなのかもしれません。やらなければならないことがたくさんある状況では難しいかもしれませんが、まずは健康を確保することが最優先です。

病院に行く

もし慢性的なストレス状態を解決できないのであれば、病院にいくのも一つの手です。医者は治療のプロですから効果的なアドバイスをもらえるはずです。

Do not try to deal with chronic stress alone. If self-help strategies are not working, a doctor can provide support and advice about treatment options. They can also refer a person to a more specialized healthcare provider, such as a psychologist or psychiatrist.(慢性的なストレスに対して一人で立ち向かおうとしないでください。自分で解決しようとする戦略はうまくいかなかったとしても、医者は治療するための選択肢やサポートを提供することができます。さらに、心理学者や精神科医のようなより高度な知識を持った専門家を紹介することも可能です。)

What are the health effects of chronic stress?

慢性的なストレス状態に陥っているときに、自分で決断を下していくことは困難であり、かつ危険です。医者にたよることは恥ずかしいことではありません。そのために彼らはいるのですから、どんどん頼るべきです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?昔から「我慢しなさい」ということがよく言われる中で、この「耐え忍ぶ」形の我慢がいかに健康上よくないかについて解説いたしました。また、正しい我慢とは「さっと受け流す」タイプの我慢であることについてもその理由を述べました。

確かにどちらの「我慢」の方法も見た目だけみれば「じっと耐えている」ように見えるため変わらないかもしれません。しかし、ストレスフルな状況に対するとらえ方次第で、それが慢性的なストレスになるのか乗り越えられるものになるのかが変わってきます。大切なことは従来の「耐え忍ぶ」我慢の仕方を美徳としている方でも、慢性的なストレスにさらされているのであれば、「さっと受け流す」我慢の仕方に挑戦し、ストレスフルな状況を乗り越えていくことです。

この記事を書いた人

ミニマメンタル管理人

「ミニマメンタル」の管理人。
普段からメンタルヘルスに興味があり、元々好きだった「ミニマリスト」と掛け合わせて新たなサポートの形を提供するべく当ブログを設立。

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