働きすぎの人が今すぐ休むべき理由

メンタルヘルス

概要

こんにちは。
皆さまは普段どれくらいの時間働いていますでしょうか?長く働いておられる方もいれば、定時後にすぐに帰ってしまう人もおられるかもしれません。

昨今の世の中は「働き方改革」という言葉が台頭し、働き方がドラスティックに変わりつつある時代にあります。多くの企業でリモートワークが実践され、さらに政府が「副業」をするなど、もはや会社に出勤するという働き方は過去のものとなりつつあります。さらに、フリーランスとして独立する働き方であったり、起業して自ら事業を起こすなど、アントプレナーシップにあふれた人が増えたこともうかがえると思います。

しかし、それでも場合によっては長時間働くことを余儀なくされている人もいるようです。実際に、ある調査によると、日本のフルタイムワーカーの労働時間は世界でも堂々の一位となっているそうです。(日本の労働時間は世界に比べて長い?短い?本当の問題点とは)

このように、世界から見ても日本の労働者はとても長く働いています。しかし、あまりに働きすぎではないでしょうか?長時間働いている方々に休みは与えられているのでしょうか?

今回の記事のテーマは「休む」ということについてです。よく働く人は「働き者」と言われたり、趣味は「仕事」というくらい仕事に打ち込んでいる人もいたりと、「働く」ということは何かと美化され、働けばはたらくほどよいというような風潮が世の中には伺えます。

しかし、実際は「休み」をうまくとりいれることが生産性の向上につながるのです。この記事ではなぜ「休む」ことが生産性の向上につながるのか考察していきます。

休むことは軽視されている

冒頭でもお話したように、「働く」ということは何かと美化される傾向にあります。そして、多くの人が「働けば働くほどよい」と思っており、さらに悪いことには「休む」ということがあたかも「悪い」ことであるかのように思われることもあるのです。

Rest has a bad rap in our culture. Most of us think about rest as merely the absence of work—not something valuable in its own right. Sometimes, it’s even equated with laziness.(「休む」ことは不当に避難されています。私たちのほとんどが「休む」ことは単に「仕事をしていないこと」であると考えているか、あるいは「休む」ことそれ自体の価値に気づいていないのです。それどころか、「休む」ことはときどき「怠惰」と同等であるかのように考えられこともあります。)

How Resting More Can Boost Your Productivity

しかし、実際には働けば働くほど様々な要因で不利益をもたらし、最終的に我々の創造性やイノベーションを失わせてしまうことがわかっています。

While many of us may feel that pushing ourselves to work long, unbroken hours is the best way to be productive, science suggests otherwise. In fact, working longer may lead to stress, burnout, disengagement from work, and poorer performance on the job. It can also kill creativity and innovation.(私たちの多くが長時間働き続けることが生産的であると思っていますが、科学的にはその逆です。つまり、長時間働くことでストレスがたまり、燃え尽き症候群になり、仕事への熱意を失わせ、仕事で成果が出せなくなってしまうのです。長時間労働は創造性や斬新さを殺すこともあります。)

How Resting More Can Boost Your Productivity

休むことの重要性

それでは、なぜ「休む」ことが必要なのでしょうか?確かに働いていたほうがたくさんのことを生産できるし、それこそ「休む」なんてことをやっていたら何も生まれないという気がするのは事実です。しかし、脳にとって重要なプロセスというのは「休む」ときにこそ行われていることがわかっているのです。

Downtime replenishes the brain’s stores of attention and motivation, encourages productivity and creativity, and is essential to both achieve our highest levels of performance and simply form stable memories in everyday life.(脳が動いていない時間に、脳は注意力やモチベーションを回復し、生産性と創造性を増します。つまり、その時間は最も高いレベルのパフォーマンス、および毎日の安定した記憶の形成に欠かせないのです。

Why Your Brain Needs More Downtime

このように、脳にとって重要なことは、実は脳が動いていない状態にこそ行われているのです。

・when we are resting the brain is anything but idle and that, far from being purposeless or unproductive, downtime is in fact essential to mental processes that affirm our identities, develop our understanding of human behavior and instill an internal code of ethics(我々の脳が休んでいるとき、脳は決して怠惰であるというわけではありません。むしろ目的無く休んでいるわけでもないし、非生産的であるわけでもありません。脳が動いていない状態は精神的な活動にとって不可欠なのです。その時間で我々はアイデンティティを形成し、人間行動について理解し、さらには倫理的な行動規範について学びます。)

・some studies have demonstrated that the mind obliquely solves tough problems while daydreaming—an experience many people have had while taking a shower.(いくつかの研究では、脳は空想している間に困難な問題を解決していることがわかりました、これは多くの人がシャワーを浴びているときに経験しています。)

Why Your Brain Needs More Downtime

また、ある研究ではイタリアの警察官が夜勤前に昼寝を実施することで高速道路での事故が48%も減少したことがわかっています。

A 2004 study, for example, analyzed four years of data on highway car accidents involving Italian policemen and concluded that the practice of napping before night shifts reduced the prospective number of collisions by 48 percent.(2004年の研究によると、高速道路における事故の4年間のデータを分析したところ、夜勤の前に昼寝をすることで、衝突する数がだいたい48パーセント減少したことがわかりました。

Why Your Brain Needs More Downtime

いかがでしょうか。「休む」ということは創造性や生産性を向上させるだけでなく、あらゆるリスクの低下にも寄与していることがわかりました。

無意識の力

話が少し脱線してしまいますが、「休む」とは一体なにをすることでしょうか?昼寝をすることでしょうか?はたまたぼーっとすることでしょうか?「休む」ということにはいろいろな形があると思います。

ここでは「ぼーっとする」ことについてとりあげますが、この「ぼーっとする」ことは、一見なにもしておらず、非生産的な行為であるように見えます。

しかし、実際にはこの「ぼーっと」しているときこそが我々がクリエイティブを存分に発揮している時間であることがわかっているのです。

If we try to understand these descriptions using the framework provided by our understanding of the mind and the brain, then we are led to the conclusion that the creative process arises from unconscious rather than occurring as a conscious process…(我々の脳や精神の関する理解のフレームワークを用いてこの説明を理解しようとすると、次のように結論を出すことができる。つまり、創造的なプロセスは意識的というよりはむしろ、無意識的におこるのです。)

- Is creativity conscious or unconscious?

実際にある実験では無意識で考えたときの創造性が、意識的に考えようとしたときの創造性を超えることがある場合を示しています。次の図はその実験の被験者が「クリップを用いて人は何をすることができる?(“What are the things one can do with a paperclip? Please list everything you can think of.”)」と尋ねられた場合における、思考時間と答えの斬新さの関係を表しています。

下記の図によると思考時間が長いほど、無意識下による創造性は意識下による創造性を下回ってしまいますが、思考時間が4分程度までは上回っていることがわかります。

when deliberation duration is of a moderate length, the creative output of unconscious thought surpasses that of conscious thought.(思考時間が適度な長さであれば、無意識による創造性は意識による創造性を上回ります。)

- Is creativity conscious or unconscious?

このことから見ても「無意識」の力がときに「意識」の力を上回る可能性があることが証明されています。
仕事をしていて考えに行き詰ってしまった方は、ぜひ一回手を止めて別のことで気を紛らわしてみるのはいかがでしょうか?

どのようにして休めばいいの?

これまで「休む」ことの重要性について説明してきましたが、一口に「休む」といっても具体的に何をすればよいのでしょうか?何もしないのがよいのか、はたまたなにかやるべき作業とは別のことをして気を紛らわせばよいのか、休み方にもいろいろなものがあります。

最後は上記で引用させていただいたサイト(How Resting More Can Boost Your Productivity)から、効果的に生産性をあげるための休み方を紹介いたします。

朝早くの習慣を始める(Starting an early morning routine)

記事によると多くの歴史上の創造的かつ多産の人物が、彼らの創造性がピークを迎える夜明け前に集中して作業を行っていたそうです。(many of history’s most creative and prolific figures take a different approach. They start work earlier, sometimes before dawn, and concentrate on their most challenging work first when their creative energy is bound to be at its peak.)

たしかに朝早起きしたときは気分がすっきりとしていて、やる気に満ち溢れている感じがします。
大事な仕事であったり、締め切りが近い方は朝早起きして作業時間を確保するとうまく行く可能性があがるのではないでしょうか?

散歩する(Walking)

二つ目の方法として散歩することがあげられています。

確かに何か行き詰った時に散歩するだけで気分が晴れるような心地がします。実は、実際に散歩は脳に良い影響をもたらしていることがわかっています。

Not only is it a form of exercise (which brings blood to the brain), it can also help our brains engage in a light kind of focus, which encourages more mind-wandering and aids later creativity.(脳に血流を促す運動であるだけでなく、散歩は脳に軽い集中状態をもたらす。それがマインド・ワンダリング、ひいては後の創造性をもたらすのです。)

マインド・ワンダリングとは「気まぐれ」と訳され、通常はあまり良い意味では使われませんが、ここでは脳をあえて「気まぐれ」させることが気分転換となり、創造性につながることを示唆しています。

昼寝する(Napping)

3つ目の方法としてあげられているのは「昼寝」することです。実はこの「昼寝」する方法も「休む」方法としては最適であることがわかっています。「たかが数十分昼寝したところで何が変わるのか」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、「昼寝」するだけで午後の仕事における創造性が高まることがわかっているのです。

The most obvious benefit of napping is that it increases alertness and decreases fatigue. Even a short nap of around 20 minutes boosts your ability to concentrate by giving your brain a chance to restore depleted energy.(昼寝の最も明確な利点は、注意力が高まり、疲労が回復するということです。20分程度の昼寝であったとしても、失われたエネルギーを取り戻すことができ、その後の集中力を高めることができます。)

あえて作業を中断する(Stopping at the right time)

仕事をしていると、どうしても切りのよいところまでやってしまいたいと思うのが人間というものです。「家に帰ってまで仕事のことを考えたくないからとりあえず今日はこれを終わらせてから帰ろう」と思っていると帰る時間はどんどん遅くなってしまい、多くの場合、結果的には長時間労働することになってしまいます。

しかし、ある研究では意識的に仕事をやり残すことで創造性があがることがわかっています。その研究では被験者を2つのグループに分け、思考力のテストを2回行いました。2回のテストの間には5分間の数学テストを行いました。

ここで、あるグループには数学テストの後に2回目のテストをすることを伝えましたが、もう一方のグループには伝えませんでした。

すると、2回目のテストを行うと告げられたグループはそうでないグループよりスコアが高かったのです。これはつまり次のことを示唆しています。

All of this suggests that consciously leaving tasks undone—leaving the last sentence of a paragraph unwritten, for example—will nudge your mind to continue cogitating without your conscious awareness. Such a strategy also evens out the highs and lows in creative work, provides a boost to creativity, and buffers against stress.(意識的にタスクを未完了の状態にしておいたとしても(例えば最後の一文を書かない状態にしておくなど)、脳は気づかないうちにそのタスクについてあれこれ考えているのです。このような戦略を用いて一旦意識をまっさらな状態にすることで、創造性が増し、ストレスを緩和することができるのです。)

つまり、2回目のテストを行うと告げられたグループは数学のテスト中、無意識に2回目のテストのことを考え続けていたため、告げられていないグループよりも高いスコアを獲得することができたのです。これはつまり、タスクがあえて中断されることによって、中断された後のタスクの創造性が増したことを意味しています。

このように、あえて仕事を未完了のままに残しておいたとしても、脳は「無意識」を使ってその仕事について考えつづけているのです。「無意識の力」を使うことで創造性を高めるというわけです。つまり、「今日は切りのよいところまでやって帰ろう」といって長時間労働するよりも、「一旦この辺にして続きは明日やろう」といって帰るほうが、早く帰れる上に仕事の創造性もあがるというわけです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回の記事では「休む」ことの重要性について書きました。最初にとりあげたように、日本ではいまだに長時間労働が横行しています。さらに悪いことには「休む」ということがどこか「悪い」ことであるかのように感じている人もおり、それが長時間労働をさらに加速させているきらいもあります。

しかし、「休む」ことの重要性を知ることによって、長時間働き続けることがいかに生産性を落とす行為であるかがわかると思います。適度に休みをとることで生産性を向上し、さらに労働時間も短縮されるので、家に帰って好きなことをする時間であったり、家族で過ごす時間が増えたりするわけです。長時間労働か、仕事を早く切り上げて自由な時間を過ごすのか、どちらの働き方が幸せなのでしょうか?

今回の記事が読む方の参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

サノ

「ミニマメンタル」の管理人。
普段からメンタルヘルスに興味があり、元々好きだった「ミニマリスト」と掛け合わせて新たなサポートの形を提供するべく当ブログを設立。

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