あのGoogleも実践している「マインドフルネス」とは

メンタルヘルス

巷で話題のマインドフルネス

「マインドフルネスって何?」という言葉がよく世間で聞かれるようになりました。あの有名企業のGoogleも実践していると言われていたり、テレビや雑誌でも取り上げられることがあるので、「名前くらいは聞いたことがある」という人が多いのではないでしょうか。

名前だけはひときわ有名なマインドフルネスですが、実際にどのような効果があるのかを知っている人は少ないです。「何やら、禅の教えがもとになっているのでしょう?」というイメージのままで止まっている人が多く、マインドフルネスの効果を知らないまま「やりっぱなし」になっている人も多いと思います。この記事では、マインドフルネスの概要を知り、実際にどのような効果があるのかを解説していきます。

マインドフルネスが登場した背景

マインドフルネスの概要を説明する前に、その登場の背景を説明します。マインドフルネスは、認知行動療法から派生して作られたものです。昔々に使われていた認知行動療法は人間の行動そのものに焦点を当てたものが主流でした。「パブロフの犬」という心理学の用語を聞いたことがある人がいるかもしれませんが、条件反射という身体の機能を使って人間の行動を変化させていこうとしていたのです。

そこから、アーロン・ベックという心理学者によって、「認知」、すなわち「人間の考え」に焦点を当てて行動を変化させる認知行動療法が生まれました。ベックによって作られた認知行動療法は、うつ病に対して有効性が示されました。そこから大きく認知行動療法が広まることとなったのです。

認知行動療法の広まりによって、様々な認知行動療法が作られていくこととなりました。その1つが、マインドフルネスにあたります。アメリカのジョン・カバット・ジンが仏教の「禅」に着目し、瞑想法を用いて「マインドフルネス瞑想」を作り出しました。

参考:
第三世代の認知療法としてのマインドフルネス
認知療法の歴史

「今に集中する」マインドフルネス

カバットジンは、マインドフルネスという状態について、「意図的に今この瞬間に、価値判断をすることなしに、注意を向けること」と定義をしています。(参考 : Using the Wisdom of Your Body and Mind to Face Stress, Pain, and Illness

マインドフルネスは、主に自分の呼吸を数えることで特定の対象について注意を向ける訓練を行います。その注意を身体の感覚や感情まで広げていき、「今」体験している様々な対象へ移していくのです。中々難しいことかもしれませんが、瞑想中に様々な考えが浮かんでも呼吸に注意を戻すことが求められます。「あるがまま」という言葉がありますが、その言葉に近い状態がマインドフルネスという状態なのです。

マインドフルネスの効果とは?

禅の教えに基づき、「今に集中する」ことの重要さに着目されたマインドフルネスですが、実際にどのような効果があるのでしょうか?アメリカで生まれたマインドフルネスですが、日本においてもその効果は実証されていて、大学生にマインドフルネス訓練を2週間行ったところ、抑うつの改善に対しての効果が認められたことが報告されています。(参考:マインドフルネストレーニングが大学生の抑うつ傾向に及ぼす効果 : メタ認知的気づきによる媒介効果の検討

抑うつに対する改善の効果が見られたマインドフルネスですが、実はそのような効果に加えて、「メタ認知」というスキルの習得に対しても有効性が示されました。

この「メタ認知」、マインドフルネスと相性が良いのです。メタ認知を習得することで、「うっかりミス」を防ぐことができると言われています。(参考 : メタ認知の概要|奈良教育大学

「もう一人の自分」で自分を客観的に見るメタ認知

メタ認知とは、何かを行っている時に頭の中にいる「もう一人の自分」と言われていたり、「認知の認知」とも言われることがあります。

メタ認知には2つの機能があります。1つは、知識として蓄えられた自分の状態を判断するための「メタ認知的知識」、もう1つはその知識に照らして直接モニタリングの働きを行う「メタ認知的技能」に分けられます。例えば何か作業をする場合に、メタ認知を用いて客観的に自分自身を観察することで「ミスをしていないか?」と考えることができます。

マインドフルネスを行うことによって、自分自身を客観的に観察することができるメタ認知のスキルの習得に対する効果も確認されました。抑うつ状態だけに効果があるばかりでないのがマインドフルネスなのです。

参考:メタ認知の概要|奈良教育大学

毎日続けることが大事なマインドフルネス

マインドフルネスについての効果を知ると、「試しにやってみよう」と思う人は多いはずです。最近ではマインドフルネスを行うセミナーが数多く開催されていたり、スマートフォン向けのアプリも開発されているので、マインドフルネスを始める敷居は低く手軽にマインドフルネスを行うことができます。

しかし、実際にマインドフルネスを行ってみると、「なんだか集中できない」と思う人も多く、途中でマインドフルネスをしなくなってしまう人がいます。

マインドフルネスは、すぐに効果が出るものではありません。マインドフルネス「訓練」とも言われるように、毎日行うことが大事です。「訓練」とは、初めからできていることを習得するために行うものではありませんよね。時間をかけて、何かを習得することを目的に行われるものです。つまり、マインドフルネスも訓練と同じです。「日々是精進」の精神で、毎日の努力を欠かさず行うことでマインドフルネスの効果を実感できるでしょう。

この記事を書いた人

匿名希望

東京にある某大学の法学部を卒業後、大手保険会社に数年勤務。
仕事をする傍らでメンタルヘルスについて興味を抱いたことがきっかけで、一念発起して心理系の大学院に入学。
1人でも多くの人に心理学やメンタルヘルスの知識を広めるため、ライターとしても活動している。

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