なぜ自己肯定感が大切なの?

自己肯定感

なぜ自己肯定感は大切なの?

自己肯定感とは、ありのままの自分を認め、受け入れ、「自分は大切な存在だ」「自分はかけがいのない存在」だと、自分を尊重できる、自己価値に関する感覚です。

これは、自分を「自分が」認め、受け入れるということです。自己肯定感は、自分自身が自分のことをどう考えて、どう感じているのか、何を持っているのかを考えることがポイントです。人と比べて自分がいかに優れているか、劣っているかという視点では考えません。

なぜ、人と比べるという視点で、自己肯定感は考えないのでしょうか?人が自分に言っていることって、全部が全部正しいかというと、そうじゃないですよね?あなたのことをよく知らないで言った一言かもしれない。もしくは、人の評価は賛否両論あるものです。

人それぞれ自分の考え方がある訳だから、ある人がいいと言ったことは、別の人にとってはありえない!!なんてことも多々ある訳です。何が言いたいのかというと、自分に対する他者の評価は曖昧で、揺らぎやすいものだということです。

もちろん、人から言われたことで、自分が大きく動かされて、自分を変えられたということもあると思います。でもそれは、その人から言われたことを自分なりに受け取って、自分なりに考えた結果ということです。

人の評価が気になりすぎると、自分で考えて行動に移しにくくなるのではないでしょうか。自己肯定感は、そのような自分で何かしようと思う時の心の土台になったり、自分の軸になります。

どんな自分も受け入れ肯定することで、外側からの評価で揺らぐことなく、自分軸で自分の価値を感じ、自己承認できる力が自己肯定感です。自己肯定感が高まると感情が安定し、物事を肯定的に捉え、何事も意欲的に慣れます。自己肯定感は自分を信頼できる自信の源になるのです。

参考:自己肯定感とは?

そもそも自己肯定って?


自己肯定とは自分自身のありのままを認め、受け入れるということでしたね。ただ、ありのままの自分を受け入れる過程って人それぞれだとも思います。

例えば、人から言われてことで、自分の良さを自分で気づいて自己肯定に繋がる場合もあると思いますし、社会に自分を役立てたいという思いから、自分について考えるようになって自己肯定につながった、なんてこともあると思います。自己肯定する過程って様々だし、場合も様々だということです。

ある研究 (参考:働きざかりの心理学 (1981年) ) では、自己肯定の要素とは何かという調査を行っています。それによると、自己肯定は以下の3つに分類されています。

  1. 自己愛的に高揚した自己肯定・・・(自己愛的な意味合いが強く、他者から自分に向けられた高い評価や期待から自分はすごいと思うような自己肯定)
  2. 自律的な生き方への敬意と自負に基づく自己肯定(自分を尊重し、自分らしさを重視して生きること自己肯定)
  3. 自己受容的自己肯定・・・(自己受容的な納得や満足に基づく自己肯定)

自己嫌悪と自己肯定


どうでしょう?この中に皆さんに当てはまる自己肯定のパターンはありましたか?

前の章で紹介した研究では、自己肯定の要素だけではなく、これら3つの自己肯定感のパターンと自己嫌悪感の関連についても調査されています。その結果から、自己肯定と自己嫌悪の関係性を知って、自分を認め、受け入れる、自己肯定とは何かを詳しく見ていきましょう。

先ほど紹介した研究の結果によると、自己嫌悪感は、①、②、③のパターンどれもできていない場合に自己嫌悪が多くなったという結果でした。

まあこれは当たり前と言ってはそうなのかもしれませんが、自分にはいいところは何もない、自分はどうせだめだと思うことは、抑うつになり、意味のある努力をしないので、低い達成に止まり、自己評価が低いままであると研究では言われています。そしてこの研究では、意外な結果も明らかにされています!③のパターン(自己受容的自己肯定)の自己肯定がない場合、自己嫌悪感が強くなるということが明らかにされているのです。

また、一番自己嫌悪感を感じるのは①(自己愛的に高揚した自己肯定)のパターンで、自己肯定をしていながらも③のパターン(自己受容的自己肯定)で自己肯定ができていない場合、自己嫌悪感をより多く感じる研究では言われています。

なんとなく最初の説明を聞いて、自己肯定感の定義に近いのは、③のパターンだと思われると思います。ただ、①(自己愛的に高揚した自己肯定)、②(自律的な生き方への敬意と自負に基づく自己肯定)だって、自分を認めていることには違いありませんよね。これらの違いはどう言ったところなのでしょうか。

①の自己愛的に高揚した自己肯定、②の自律的な生き方への敬意と自負に基づく自己肯定どちらも、自分に対する評価は高いですよね。

これらの違いは、①のパターンでは自分への評価が高いと高すぎるが故に、抱える理想や期待も高くなり、自分に厳しくなっていく側面があります。

実際、自分ができることは限界があって、その自分の限界を知り、自分を育てていこうという視点があれば、理想も現実になるかもしれません。しかし、自分に厳しすぎると、限界を受け入れることを諦めだと捉えやすくなり、自分を追い詰める続けてしまいます。

一見いいことのようにも思えますが、別の視点からみると、自分ができないことを認めるよりも、自分は妥協したり諦めたりせずに頑張っているんだと自分を納得させることで、自分の限界や今の自分の現状から目をそらしているとも言えます。

②のパターンは、自分の信条や、自分の生き方のスタイルに忠実であろうとするあまり、やろうとすることが思い通りに進まず、自己嫌悪が生じることもあり得ます。 自分はこうでなければという思いが、自分を狭めてしまっているのかもしれません。

再度・・・自己肯定感とは?


ここまで、自己肯定と自己嫌悪について見てきました。自己肯定と自己嫌悪は一見正反対のように思える概念ですが、とても関連しているということがお分かり頂いたと思います。多くの心理学者が、自己嫌悪感が自己洞察につながりやすい感情である(河合,1981;荻野 1979;小此木,1969)と言っています。

「自己嫌悪感が生じるのは、自分の中にある受け入れがたい何かに気づいているためである。その問題に近づこうとする方向よりは、拒絶しようとする方向が強い感情である。しかしそれが気になっているために、自己の感情がその問題の周囲から離れることはない。」と言われているのです。

つまり、自己嫌悪は自分が受け入れがたい自分を知らせるサインで、自己肯定に繋がる過程とも言えますね。自己嫌悪は、受け入れたいけど受け入れるのも怖いと揺れている状態であるとも言えます。

考えて見れば、いつも自分のことを肯定できるという時はあまりありませんよね。自己嫌悪は何かしらの時にやってくるものです。

そんな時、自分なら大丈夫!自分らしくやろうと思うことは勿論大切なことですが、自分の受け入れがたい面から目をそらすこと、自分であることから逃げ出すことにつながっていないか考えることが大切です。 受け入れるまでは苦しいですが、受け入れることで楽になります。受け入れられないと苦しいままなのです。

嫌な自分やできない自分もよく見て、認めた上で、より自分について理解をしていく力が、自己肯定感ということだと思います。

引用・参考:
働きざかりの心理学 (PHP文庫)
自己嫌悪のすすめ 青年心理(金子書房)
精神分析ノート 3: “私”との対面
大学生の自己嫌悪感を高める自己肯定のあり方

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