「嘘」は悪いことなのか。人が嘘をつく心理的な理由について

メンタルヘルス

概要

こんにちは。本日は何の日でしょうか?そう、本日はエイプリルフールとなります。誰もが公然と「嘘」をついても許される日となります。本日だけは誰が嘘をついても咎められませんし、むしろ「嘘をついてなんぼ」という雰囲気もあるような気がします。

さて、みなさまは「嘘」をつきますでしょうか?もしそうだとしたら、それはどんなときでしょうか?そして、「嘘」をついたとき、どんな気分になりますでしょうか?

基本的に嘘をつくことは「悪い」ことであるとされています。事実を歪めるわけですから、当然といえば当然かもしれません。しかし、ときとして「良い嘘」も存在します。それは、誰かを幸せにするような嘘です。そのような場合はたとえ「嘘」をついたとしてもあまり罪悪感は感じないものです。

この記事のテーマは「なぜ人は嘘をつくのか」についてです。先に述べたように、嘘には様々な種類があります。人が嘘をつく場合、どのような心理的理由が存在するのか、以降ではそれを紹介いたします。

なぜ人は嘘をつくのか


先ほど、人が嘘をつくのには様々な理由が存在することを示しました。以降では「なぜ人は嘘をつくのか(Why People Lie)を参考に、人が嘘をつく心理的な理由について紹介いたします。

罰を避けるため(Avoiding Punishment)

Avoiding punishment is the most frequent reason people tell serious lies, regardless of their age, whether it be to avoid the speeding ticket or being grounded. (罰を避けることは、人が真剣に嘘をつく理由として最もよくあります。それは年齢に関係ありませんし、スピード違反を避けるためだろうが、外出禁止を避けるためであろうが、関係ありません。)

これは人が嘘をつく最も一般的な理由であり、それは老若男女問わずです。確かに、罰は痛みや不快感を伴うことがほとんどですから、避けるに越したことはないのかもしれません。

私たちは、例え小さな子供であったとしても、罰を避けるために嘘をつくことは当然のことであり、一般的なことです。

The contingencies supporting the lying repertoire in childhood seem straightforward; children learn to lie to avoid aversive stimulation.(子供たちの嘘のレパートリーを増やすような事象はいたって単純なものです。つまり、彼らは嫌悪刺激を避けるために嘘を学ぶのです。) - A Developmental-Behavioral Analysis of Lying

報酬や利益を隠すため(Concealing Reward or Benefit)

...the rule breaker decides before breaking a rule that he or she will if questioned lie to cover the cheating. Sometimes the reward could have been achieved – a high mark on an exam — without cheating but not as easily, it would have taken more effort (hours of study in this example).(ルールを破る人は、あらかじめ、質問されたら嘘をつこうと決めています。それで利益が得られることもあるのです。例えばテストで高得点を獲得することもできます。もし嘘をつかなければ、テストに向けて何時間も勉強するなどの努力が必要です)

次にあげられる理由としては、「報酬や利益を隠すため」です。今度は「罰」を避けるためではなく、「利益」を得るために嘘をつきます。当然、この場合における「嘘」というのは「ルールを破る」ことに他なりません。ルールを破っていなければ嘘でもなんでもないわけですから。

しかし、私たちはただやみくもに「利益」を求めて嘘をつくわけではありません。利益を求めるための嘘は、我々が「そうするほうが得だ」と思ったときのみに実行されることがわかっています。

Therefore, a crime will only be committed if the expected utility derived from it exceeds the utility from legal activity that can be attained with the same resources.(それゆえ、犯罪は、同じリソースで法的な手段を用いる場合の利益を上回る効用が得られる場合に限り実行されます) - WHY DO WE LIE? A PRACTICAL GUIDE TO THE DISHONESTY LITERATURE: WHY DO WE LIE?

誰かが傷つくのを守るため(Protecting Someone from Harm)

Protecting someone else from harm is the next most important reason why people tell serious lies. You don’t want your friend, you fellow worker, your sibling, your spouse – anyone who you care about — to get punished, even if you don’t agree with what the person you are protecting did that put him or her in danger.(他の人が傷つくのを守るために嘘をつくことは、人が真剣に嘘をつく最も大切な理由です。あなたは友人や同僚、子供、配偶者などあなたが大切に思う人が罰を受けてほしくないはずです、それはたとえ彼らがしたことに対して賛成できなかったとしてもです。)

私たちは別の誰かが傷つくのを守るために嘘をつく場合があります。もしそれがルールを破るような場合であったとしても、その人を優先したいと思うからです。

ある研究者は、人は自分を正当化できるような理由があれば嘘をつくことができるということを主張しています。そして、自己の正当化は大抵の場合、ルールを逸脱する行為の主要な動機となると説いています。

One factor that influences the decision to act dishonestly is the internal process that justifies an individual’s behavior. ... Shalvi et al., (2012) even suggest that people will not behave dishonestly if they lack any justification for doing so. Therefore, it has been suggested that justification is a focal driver of transgressions.- (人が不誠実な行動を決断する要因として、心の中で自分の行いを正当化することが挙げられます。Shalviらは、人は正当な理由なくしては不誠実をはたらかないということを示唆しています。つまり、正当化は逸脱行為の主要な動機であることがわかります。) WHY DO WE LIE? A PRACTICAL GUIDE TO THE DISHONESTY LITERATURE: WHY DO WE LIE?

自分を守るため(Self-Protection)

To protect yourself from being harmed even when you have not broken any rule is still another motive. (あなたが何のルールも破っていない場合でも、自分を守るための手段として、嘘は十分な動機となります。)

ときとして嘘は我々の体裁を守るために機能することがあります。それは例えば集団の中で自分の地位を獲得していかなければならない場合などです。もちろん集団の中で生きていく場合、何事も平和に物事が解決することばかりではありません。ときには集団内で権力争いが発生する場合もあります。

そのような場合には、多少嘘をついてでも自分を大きく見せていくことが大切になるかもしれません。それは自分が向上心を持って取り組むことであり、誰かを傷つけなければ「正当な嘘」となりえます。

プライバシーを維持するため(Maintaining Privacy)

To maintain privacy, without asserting that right, is another reason why people may lie. (それとなく自分のプライバシーを守るために人は嘘をつくことがあります)

人はときに自分のプライバシーを守るために嘘をつく場合があります。これは当然といえば当然のことで、誰にだって人に知られたくない自分の内面があるからです。そういった場合では嘘をつくことで自分の身を守ることができます。たとえ人から強要された場合であったとしても、私たちは自分が言いたくないことについては言わなくてもよいのです。

“It is not necessary for us to be honest when giving out information and it is okay to lie a bit to protect our personal details,”(私たちが情報を開示する際に正直になる必要はありません。私たちは個人的な話を避けるために嘘をついてもよいのです) - It's okay to tell a white lie to protect yourself, netizens told

ただスリルを感じたいだけ!(The Thrill of it All!)

Some people lie for the sheer thrill of getting away with it, testing their unsuspected power. (逃れるときのスリルを味わうために嘘を就く人もいます。彼らは怪しまれないための力試しをしているのです。)

実は、嘘自体が「善」か「悪」かどうかには関係なく、ただ嘘をつくことを「楽しみ」として実行している人たちもいます。このような人たちの中には、仮に「嘘」が「悪いものである」と知っていたとしても、その認識を「楽しみ」が上回ってしまうのです。それによって彼らは嘘を実行せずにはいられなくなります。

The theory of bounded ethicality asserts that some people are unaware of the ethical norms and, therefore, behave dishonestly unconsciously.(倫理性が制限されているという理論は次のことを主張しています。つまり、中には倫理的な規範に気が付かず、それゆえ無意識のうちに不誠実な振舞いをしてしまう人もいるということです。) - WHY DO WE LIE? A PRACTICAL GUIDE TO THE DISHONESTY LITERATURE: WHY DO WE LIE?

彼らはそもそも嘘が「善」か「悪」という議論をすること自体しません。彼らはそういった概念を超越し、ただ楽しいから嘘をつくのです。それは、物語の主人公のようでもあります。

“I'm the most terrific liar you ever saw in your life. It's awful. If I'm on my way to the store to buy a magazine, even, and somebody asks me where I'm going, I'm liable to say I'm going to the opera. It's terrible.” ― Holden Caulfield, "The Catcher in the Rye"(「僕は君があった人の中で最悪の嘘つきだろうね。本当にひどいよ。もし僕が雑誌を買いに行く途中で、誰かにどこに行くのか尋ねられたら、きっと僕はオペラを見に行くんだと答えるね。本当にひどいよね」- ホールデン・コールフィールド, 『ライ麦畑でつかまえて』) - Born To Bullsh*t: 16 Things Only People Who Love Lying Will Understand

恥ずかしさを避けるため(Avoiding Embarrassment)

Avoiding embarrassment is relevant to many less serious lies that come under the rubric of lies-of-everyday-life. Very often people lie to get out of an awkward social situation. (恥ずかしさをさけることは真剣でない嘘と関連しており、日常的な嘘の一つに分類されます)

ときには恥ずかしい思いを避けるために嘘をつかなければならないときがあります。これは「罰をさけるため」に嘘をつくのと似ています。つまり、恥ずかしい思いをすることは不快感を催すし、誰だってそのような思いはしたくないものです。

We lie to get what we want, we lie to avoid embarrassment, to maintain our self- image, we lie to avoid being judged, we lie because we don't want to recognize that we have erred, and we continue to lie because we have lied.(私たちはほしいものを手にれるために嘘をつき、恥ずかしさを避けるため、セルフイメージを保つため、そして誰かに評価されるのを避けるために嘘をつきます。私たちは間違いを認めたないから嘘をつくし、嘘をついたことがあるからまた嘘をつくのです) - Liars and Deceivers

礼儀正くあるため(Being Polite)

Then there are the deceptions that are required by politeness — “thanks so much for the lovely party” or “that color really looks good on you”.(礼儀正しさを保つために必要な嘘も存在します。「こんなに素晴らしいパーティーをありがとう」と言ったり、「その色は君にとてもよく似合っているね」というのはそのためです)

日本には「社交辞令」という言葉があるように、礼儀正しさを表明するための嘘はごく当たり前のものとして日常生活で使われています。「社交辞令」は我々の生活の潤滑油としての機能を果たしているのであり、それを使わずに馬鹿正直になんでも答えていては物事がスムーズに進みません。ですから、これはたとえ「嘘」であったとしても「必要な嘘」であると言うことができるかもしれません。

まとめ


いかがでしたでしょうか。この記事では人が嘘をつく様々な理由について紹介いたしました。通常、嘘は事実を歪める行為であり、「悪い」ものであるとみなされることがほとんどでしたが、人が嘘をつくのにはそれなりの理由があることがわかりました。そしてときには嘘をついたほうが場を円滑に進めることができたり、正義のためにつく嘘も存在していることがわかりました。

「嘘」をつくことは必ずしも悪いことではありません。しかし、それが「嘘」であるとばれたときは、多くの場合、取り返しのつかないことがほとんどです。ですので、嘘をつく場合は適切な場所とタイミングを見計らって、上手に行う必要がありそうです。

この記事が読んでいただける方の参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

ミニマメンタル管理人

「ミニマメンタル」の管理人。
普段からメンタルヘルスに興味があり、元々好きだった「ミニマリスト」と掛け合わせて新たなサポートの形を提供するべく当ブログを設立。

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